日日 旅日和

2009.06.30

さらに、旅はつづくのだ

旅するもみじ市 IN 北海道
おかげさまで、盛況のうちに、幕を閉じました。
いやあ 熱かった 暑かった!

ご来場のお客様、スタッフのかたがた、
札幌と東京の志ある熱き作家のみなさま、
主催cholonの菊地ご夫妻、
こころよりありがとうございました。

参加したからこそ得られたものが、
それはたくさんありました。
我々には多く、至らぬ点もありましたが、
旅粒を手に取ってご覧下さった方みなさんに、
ありがとう!といいたいくらいでした。
(それはさすがにうるさかろうと、やめておきましたが)

余談ですが、おまけ的に出品した私物の古本が
びっくりするほど売れてくれました。笑
それはそれで、とても楽しいことで、
本を媒介に、見知らぬお客様ともお話しできてよかったなあ。


今回の経過と結果を、旅粒会議でまとめあげ、
つぎへの大いなるステップとしようと思っています。


このイベントを体感して思うことは、
やはりすべては、人と人の繋がりなんだなということにつきます。
このイベントを中心点にして沸き起こっている
とてもポジティブなパワーが、
個人的にも大変な励みになりました。
やはりそれは、もみじ市というしっかりした骨組みを持つイベントと、
それを呼び込んでくれたcholon菊地ご夫妻の力が
みなもとにあるんだろうなと、しみじみ感じ入っています。


ものをつくるということ。
自分の居る場所。
ひととのかかわり。
ものを買うということ。
美味しいものを食べること。
笑顔の力。


ああ、長くなりすぎてしまうので、このへんで。

打ち上げで、よっぱけて、若干からみ酒になりましたが、
本人いたって楽しかったので、お許しくださいね!

そしてもちろん、わたしたちの旅はつづくのです。
いつかあなたの旅路にて、また会えますように。
ありがとうございました!



文:山本曜子
18:50 | Comment(0) | 雑記

2009.06.05

この感覚を、味わいたいがため

0604_chosei.jpg

ちゃくちゃくと(もしくは遅々とした歩みが、やっとがしがしと)
旅粒四号、完成へむかっております。


思えば、ふたりは一年近く、四号へむけて
うんうん唸って、会議を重ねてきました。
今回はいつも以上に、時間と心をかけたので、
ここに至るよろこびもひとしお。
あとは、きっちりと、最後まで気を抜かずに
よーく見直していくこと。
これがけっこう、最後の難関。

写真は、気分転換もかねて、おしゃれカフェで校正にはげむわれわれの一コマ。
目下、ふたりは赤ペン先生と化しております。

わたしはおもに文章担当なので、
自分の書いた文がどんな案配で紙媒体に展開されるのか、
佐藤の采配次第(口も挟みますが)。
それを目にする瞬間が、たまらなくワクワクします。
腕がいいんです、佐藤。えっへん。(なにさま!)



だんだん、じぶんたちの本当に思い描くものを
つくることができはじめている感じ。
この感じを大事に、つづけていきたいです。

てなわけで、四号が、もうそろそろ、
冊子のかたちでできあがります。
うーん、はやくひらいてみたいなー!!


みなさま、ひっそりと、お楽しみに。





文:山本曜子
18:27 | Comment(0) | 雑記

2009.05.15

春が咲く

今日、北海道の春かくのごとし、といわんばかりの
カラリ晴れ渡り澄んだ空気の涼しいこと。
北の人々はこういう日和に弱い、
私の勤めるお店も、陽のあるうちにたいそうな大入り、
あれよあれよとくるくる立ち働いたあと、
ぼんやりとした頭で大通公園をまっすぐに西へ。

土を踏みたかった。緑を体に入れたかった。

ふわっと、おおきく溢れるような新緑は
陽に透けて、みどりではない、金色。
葉っぱ一枚一枚に、春の、独特な、みなぎるような生命力。
そこをわたる風。やわらかい土。
なにもかもが春。

やがてどんづまりの、西13丁目にあたる資料館のうらっかわへ
ふらふらと迷い込む。

そこはもっとも緑が濃くて、ベンチがずらり半円を描く、
不思議と静かなうすぐらい場所。

でも、知らずにおりました、
大きな藤棚が、そこにあったことは。

煙るごとくのうすむらさき。咲きかけの藤の花。
今年、急いだ桜のあと、すぐライラック、すぐ藤の花。
速度を上げて、春が通り過ぎていく、
そんな景色がとても目について、慌てつつも、また楽しい。
ベンチに座って、木漏れ日の射す景色に身を置く。静かな心。

やがて、モハモハの犬を遊ばせる奥様、
それを見て歓声を上げる若い女の子二名、
医大生らしき男子ふたり、その知り合いらしい女子ふたり、
さそわれるようにあつまり、ベンチはいっぺんに華やぐ。
なのでひとり鼻歌歌いながら、ゆっくりと帰路へ。


気持ちよい春の西日をあびるごとに、
つい、大好きな詩を、思い出す。
______________________
「春の日の夕暮れ」中原中也(抜粋)


トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮れは穏やかです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮れは静かです




_______________________
「トタンがセンベイ食べて」が凄い、
「アンダースローされた灰」ってのは
下から青くなっていくような山のことを言うとの説も。



文学って、春の風景にひそんで居る、
「桜の森の満開の下」もしかり、
そう思って風景を眺めるのもまた一興。

おみやげに桜のぼったりした花を。落ち花。椿のよう。


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文:山本曜子
21:27 | Comment(0) | 雑記

2009.05.14

上海と札幌で繋がる

札幌市内で、旅粒を販売してもらったり、
私が日ごろから関わっているCAI02というギャラリーがあります。
そのCAI02が、上海を拠点とする現代美術のマネジメントオフィスとともに、6月に上海で展覧会を開催することになっています。

その上海のディレクターさんが、先日展覧会の打合せのために来札、
CAI02ギャラリーに来ていました。
その日私もギャラリーに他の用事があり、近くに座っていました。

打合せもだいたい終わったようで、あとは飲みながらお喋り。
お話の中で、ディレクターさんの出身が北海道十勝ということを聞き、
私は十勝幕別町なので、「近いですね〜」と話していました。
高校までは十勝に住んでいたそうで、出身高校は?という流れに。

すると…なんと、同じ高校の出身だったのです。
それだけでも、かなりの偶然にお互い驚いたのですが、
年は2つ違いで、1年間は同じ校舎で過ごしていたことになります。
私には妹がいますが、彼女も同じ高校で2つ下、
ということは、彼は妹と同学年。
更に、私は高校時代の3年間剣道部員だったのですが、
その剣道部仲間の女子と、同じ下宿だったというのです。


ものごとが起こるのには全くの偶然はなく、
全てのものごとには必ず意味があると言います。
シンクロニシティとはこういうのを言うのでしょうか。

そのような考え方には、最近共感してはいましたが、
日常の小さな偶然はあっても、
今回のように驚くほどのできごとはありませんでした。


同じ故郷からそれぞれに目指すものがあり、
今は上海、札幌を拠点にそれぞれ活動する人が、
美術を通して、また北海道で出会うという偶然。

何かとてもわくわくする出来事が起こる予感がしている、私です。


それにしても、同じ高校出身で、
今そうやって頑張っている人がいるのを知ると、嬉しいものですね。
当時は知りもしなかったはずの人なのになぁ。
もしかしたら、
校舎のどこかですれ違っていたかもしれませんね。


佐藤史恵
17:33 | Comment(0) | 雑記

2009.05.08

旅粒が、冊子という媒体である理由。

内容はもちろん、冊子そのものが愛おしくなるような存在でありたい。
ずっと取って置きたくなるような冊子にしたい。
そんな想いがあるから。

たくさんある本の中で、
ずっと持っていたくなる本ってどんな本ですか?

読みたい本、眺めたい本、色々あるけど、
やっぱり、装丁などの見た目が良い本、
気になる本を持っていたいと思うのです。
いくら内容が良くても、私の場合、
装丁が良くない本は本屋さんで手に取りません。
以前から内容を知っていて、
どうしても読みたい本や雑誌なら別ですが。

その中でも大事な要素になるのが、紙。
本棚やそのへんに置いてもさまになる本って、
デザインはもちろん、使っている紙が良いんじゃないかと思うのです。

そんなこと言ってる私ですが、
旅粒は、1号、2号、3号とも違う紙を使ってきました。
つやのない紙だったり、つやのある紙だったり、
カラーだったり、モノクロだったり。
これは、試行錯誤の繰り返し…というのもありますが、
少ない予算の中で、どうやってその時のベストなものを出すか?
と考えた結果の表れでもあるわけです。

予算はいくら使ってもOK!ならば、
高い値段の紙で良い感じのものはたくさんあるでしょう。
しかし…私たちはそんなに裕福ではないので(苦笑)、
いつもそこで悩みに悩むのです…。

6月に出す予定の4号は、今、制作真っ最中ですが
当然ながら、実は今回もその紙のことで、
印刷をお願いしている印刷屋さんとともに、頭を悩ませています。
1〜3号で学んだことを、自分達なりに最高の形で出したい!
その想いは毎号強くなっていっている気がします。

自分が手元に置きたくなる本!を目指して、
出来上がったデータを印刷屋さんに入稿する直前まで
悩み続けようと思います。

来月、お店で旅粒4号を見たら、
「ほほぅ、これが悩んだ末に出した結果か」
と思いながら、見てみてくださいね。


佐藤史恵
17:44 | Comment(0) | 雑記

2009.05.07

サマーソルジャーきどって

北の地にはまれに見る、初夏じみたゴールデンウィーク。
とはいえ、私の勤めるサービス業に連休は無し。
しかし仕事が引けてから、先日、
落っこちていく陽に負けじと、
石狩は浜益までドライブへいってきました。

春の陽は思ったよりながく持ちこたえてくれて、
気づけばトンネルぬけたさきに、
残雪をたたえた暑寒別岳がオレンジ色に光っていました。
思わず、快哉を叫びました。
なんてきれい!
人間の目ってどんなレンズよりきっとすごい。
壮大なパノラマを全部ぐいんととらえて、
脳に記憶させてくれるんだから。

石狩から留萌までの道のりがとても好きです。
荒々しい、整備されていない自然が続き、
変わった地名の標識がたくさんみつかる、
そしておっかないくらいの風車たちがそそり立ち、
札幌からすぐなのに、ぜんぜんちがう景色があります。

そして暑寒別岳とともにお気に入りの、
浜益の浜へ降り立って、流木や貝殻をおみやげにするつもりが、
なんともはや、見渡す限りの砂浜に、ゴミ、ゴミ、ゴミ。
赤信号みんなで渡れば怖くない、といった思想がまかり通って
うまれた負の光景です。
見て見ぬ振りは、出来ないレベルでした。
そんな人のおこないも、すべてうけとめるかのように、
浜益の海は、やさしく夕陽をたたえ、オレンジ色。
この浜に在る寂寞と、包容力が、好きなのです。

その足で、これまたお気に入りの、浜益温泉へ。
月が、その輪郭をゆっくりと光でみたすころ、
それを見ながらつかる露天の気持ち良さときたら!
いつもはカラスの行水な私も、あたたかい風に甘えて
目を閉じて、ゆっくり呼吸しながら湯船に半身浴。
と、強い風を感じて目を開けると、
露天風呂が、いちめんの桜風呂にかわっていて、大感動!
月の下、花びらがゆらゆらする露天風呂、、、
なんたる贅沢よ、と暫く貸し切りで幸せ満喫でした。

帰路は、青くなっていく夕暮れを、明るい街札幌へ向けて
ひた走りました。


そして翌日、思わぬお土産発見。

左のニノウデにプクーと立派な虫さされがあ!


犯人:浜益温泉の虫子さん
無駄に季節感を先取りして、これにて、おひらき。





文 山本曜子
18:39 | Comment(0) | 雑記

2009.04.30

春はマジシャン

こんにちは、山本です。
花粉症には甜茶です。

サテ。
旅粒の基地(?)のあります札幌では、数日前、
どっしりと雪がつもりました。冗談のような寒さ。
こぶしの花もキュッとつぼんでしまっていました。
ところが、本日。
札幌、夕方になっても22.5℃。
ええー。うれしいけど。でも。でも。
「ちょっと!春ってこんな傍若無人にやってくるものだったかしら!」
と、一言物申したいくらいです。
手品師にあっといわされてちょっと気恥ずかしいような、
そんな感覚になるほど、たった一日で季節が変わりました。
春の花という花、木の芽という芽は、ワレサキニ!とばかりに
色づき、ふくらみ、はじけて、咲く、までを完了していました。
まさに、ポン!とさく、あの、手品の花よろしく。
堅いつぼみを見ては、待ちこがれていた桜たちも、
今朝はポン!とあちこちをうすピンクに染めていました。
たまげたなあ、と思いながら、本日はわたくし、
初チャリ(メンテ必至の。。。)でした。フィールーソーグー。
はしゃぐお子たちが楽しそう。
おじじさんおばばさんたちもにこにこ。
そうなんです、北の地は、いくら突飛な勢いだとしても、
からだがゆるむあたたかさを、
心からウエルカムしてしまうのです。
その短さを、よく知っているから。
なので、もちろん結局たっぷりうれしいのです。新緑激ラブ。

そんなうきうき春の宵、きょうはこれから旅粒会議。
佐藤とあれこれ、たくらんだり、食べたり、なだめたり、めくったりしようと思っております。ムーフフフ。


マジシャンでもかまわない、春よ、
願わくば春風を長くわれらの頭上に吹かせよ。



text by 山本曜子
17:50 | Comment(0) | 雑記