日日 旅日和

2009.12.20

金澤情景

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すっかり季節は冬ですが、いかがお過ごしでしょうか。
先日の山本にひきつづき、旅粒の国内旅日記をお送りします。(示し合わせたわけではないのですが、似たような時期にそれぞれ出かけておりました)

さて、佐藤は先日、かねてより旅先候補に入っておりました石川県は金沢市へ行って参りました。
金沢というと、妹島和世・西沢立衛のSANNAが設計を担当したことでも有名な21世紀美術館があります。
今回その21世紀美術館で、これまた是非作品を見たいと思っていた現代美術作家オラファー・エリアソンの個展が開催されている!ということで、こりゃ行かないわけにはいかんわい!と、迷う間もなく、即刻金沢行きを決意、早々に航空券を予約したわけです。(エアドゥが11月に札幌−小松便就航で往復2万でした!)

オラファー・エリアソンは、ロンドンのテート・モダンにおいて、オレンジ色の照明でできた巨大な沈まない太陽を掲げるなど、自然現象を人工で表現する作品で知られる現代美術作家。
私も、東京での企画展で作品を見たことはありますが、個展を見るのは初めて。
もうそれは、ただならぬ期待を持って美術館へと向かいました。

街の中にぽっかりとあいた空間で、緑の芝生の上に、その宇宙船のような美術館はありました。
芝生にある銀色のラッパみたいな作品に向かって、声をかけてみます。
お、なんか響いてるな。これは、芝生の上にいくつか散らばっているラッパに、どうやら繋がっているらしい。相棒と、離れたところにあるそれぞれのラッパに向かって話しかけてみる。わ、聞こえるよ〜!おもしろい。紙コップ電話みたいな原理なのかしら?携帯電話があたりまえの時代でも、こんな遊びにはわくわくします。
そんな感じで気分をもりあげつつ、白い宇宙船の中へ入って行きます。開放的で自由な雰囲気のある空間です。

オラファー・エリアソン。
その世界はまさに、恍惚としてしまう、その感覚でありました。
光やプリズム、霧、鏡、風…それらを人工的に作り出した作品群は、ともすると("感覚的なもの"だと思われがちな)"アート"というより"科学的なもの"と捉えられることもあるでしょう。けれども、オラファー自身が表現したいのはそこでは全くなく、ただただその現象を、体感してほしいということなのです。
それを証明できるのはきっと、彼の作り出す空間や作品を、実際に体験した人だけだと思うのです。
ひとつの作品を見るたびに、「うわぁ!」って驚いたり、「凄い…」と言葉をなくしたり、じっと見入ったり、部屋の中に佇んだり。
これが、一人の人間から出てくる世界なのか…。溜息混じりに、思わずそう考えてしまうほど、圧倒的でありました。もう、なにもかもが。
すごく深いコンセプトがあるのかもしれない。本当のところは理解できてないかもしれない。けれど、そんなことは考えるに及ばないほど、その前に感動がやってくる。
だからきっと、そんな作品には、言葉はいらないのかもしれないなぁ、と改めて思うのです。

オラファーの個展のほかにも、常設展示であるタレルの部屋や、プールの作品もたっぷり楽しんで、21世紀美術館をあとにしました。
この美術館では、ほかの人たちも私たちと同じに皆笑顔で楽しんでいて、噂どおり、街に溶け込んでいるなぁ、と感じるなんとも羨ましい空間なのでした。

さて、金沢は北陸の京都とも言われるように、昔からの古い街並みと新しいものが同居する、とても素敵な街。
観光地でもあるひがし茶屋街では、お茶ではなくてコーヒーを飲んで(!)ゆっくりしたり、武家屋敷ではまるで小宇宙のような手の込んだ庭を見て唸ってみたり。ひがし茶屋街から続く木造の梅の橋では、ライトアップと月のあかりの競演を贅沢に楽しんだり。
そうそう、夜のひがし茶屋街、お店はほとんどしまっていますが、外灯の光だけでひっそりした茶屋街も、なんとも趣があって良いものでした。

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裏の方へ入っていくと、外灯に照らされた古物屋の軒先に、じっ、と動かずに座っているぼってりした猫が…。あまりに動かないので、よーく見ないと、置き物の猫かと思うほどでした。ふだん、犬や猫の写真にはまったく興味がない私も、ついついカメラを構えてしまったほどです。笑


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新竪町の小さな通りにあったおしゃれな八百屋さんの店先


そんなこんなで、2泊3日という短い時間だったにもかかわらず、随分金沢を堪能できた気がします。
食べものもおいしかったですし。(やっぱり旅先の食はとっても大事!)

また次に行く機会があったら、今度は桜のころがいいなぁ〜なんて思いを馳せつつ。


*トップの写真は、桜橋より望む犀川と寺町の寺院群



文 佐藤
04:20 | Comment(0) | 旅日記
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