2009.09.26
学問は楽しい。
こんばんは。秋風が吹きはじめましたね。
さて、学問、という言葉自体に引け目を感じるほど、
勉強らしい勉強も(強く勉める、なんてことは全く!)
していない私ですが、
経験として、「学問の人」と言えるような存在が、
どれだけ魅力的で、面白いかということは知っているのです。
山口昌男さん。
旅粒4号の私のコラムでも触れた、
わたしの大学時代の学長で、
日本を代表する文化人類学者であり、知の巨人です。
このかたの新刊がつい先月出たということを恩師に聞き、
早速、書店で手に取りました。
するとそれは、前々から出版予定と聞いていた
山口先生の札幌大学での講義集だったのです。
「なかなか評判よくてねえ、売れているんだよ」と嬉しそうな恩師。
それもそのはず。そのなかみは、「比較文化」についての
とてもわかりやすく、また幅広く、そして深い学問の書なのです。
知的好奇心が刺激され、懐かしさも手伝って、
あのころに受け止めきれなかった知の森に分け入っていくべく、
ゆっくりと読み始めました。
文化人類学というと、なじみのない存在かもしれませんが、
ようは、日本人でも類を見ないほど幅広い知識をもつ
素敵に「いかがわしい」(本書より抜粋。ご自分のことをこう書いています)、
山口昌男さんという知の大樹から、
その恵みをたっぷりわけていただけるような、
そんな本なのです。
気になる方はぜひ、手に取ってご覧ください。
どこかに、自分にとっての新しいドアがきっとあると思います。
『学問の春―“知と遊び”の10講義 』
山口昌男
平凡社新書 ¥ 798
文:山本曜子
19:24
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