日日 旅日和

2009.07.14

ガラクタが鳴らす音に目を見張る

日曜日、大阪在住のサウンドアーティスト梅田哲也のライブへ行ってきました。

梅田氏は、旅粒四号に登場しているテニスコーツと
モエレ沼公園ガラスのピラミッドで共演したことがあったり、
国内のみならず、国際的な音楽フェスティバルやアートイベントにも出演するという、ジャンルレスな活動をされています。

私自身、どんなライブ/作品なのかほぼ知らずに行ったのですが、
会場に散りばめられた機材(なのか??)やライブの様子は、
一瞬「ふっ」と心で笑ってしまうような奇想天外なものでした。

古い扇風機の囲いの部分、
理科室にあるような大きいガラス瓶の中にぼうっと光る白熱灯、
大きなアルミのボウルにたっぷり張った水、
それに「ピチャッ、ピチャッ」と滴るのは、
高い天井に吊るした絞った布から垂れたしずく…。
それから、業務用のトマト缶が積み上げられていたり、
キャンプ用のガスバーナーの上の缶に、
無造作にザッザッと投げ込まれる小石。

一般に「楽器」と言われるものを一切使わず、
そこらじゅうに置いてあるそれらガラクタのような"音の鳴るもの"と
彼は戯れるかのように、つぎつぎと音を鳴らしていきます。

この"演奏"は、梅田氏が"音の鳴るもの"の間を
行ったりきたりして行われるのですが、
その光景がもう、なんというか異様なのです。

音を鳴らす順は、最初から彼の頭の中に組み込まれているのか、
はたまた、音を聞きつつ、次に鳴らす音を探しているのか。


薄暗い会場の中で揺れるいくつかの白熱灯のぼんやりした光。
それがのちに、楽器を摺り合わせて出る膨張する音とともに
バチッ、バチッと水の中でショートする。
一瞬暗くなった会場で、青く小さく光るなにか…。

氏が手を動かすその度に、新しい音がそこで鳴り、
光景が生み出される様は、ひとときも目を離せないものでした。

わたしにとってその新しい体験は、
ついにんまりしてしまう面白さに溢れていたのです。


梅田哲也氏 サイト
http://www.siranami.com/


文:佐藤史恵
15:01 | Comment(0) | 雑記
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